ガザの赤ちゃんに粉ミルクを

2025-10-16

（以下は、Instagram@sirutobillaにて発信された投稿の内容をもとに掲載しています。）

ガザ地区では、21か月に及ぶジェノサイドと4か月以上にわたる完全なイスラエルによる国境の封鎖のために、粉ミルクが完全に枯渇し、赤ちゃんたちが死の危機に直面しています。パレスチナ保健省は、乳児の大量死という惨事を回避するため、即時の国際的介入の必要性を強く訴えています。

ガザの医療現場で起きていること

全てを奪われ、閉じ込められた人々。

21か月にも及ぶイスラエルの激しい爆撃と包囲によって、ガザ地区の病院は次々に破壊され、患者や医療従事者が殺害され、多くの医療施設がその機能を失っていきました。それでもパレスチナの人々は不屈の回復力でジェノサイドを生き延び、半壊の病院を少しずつ再生しながら医療提供を続けてきました。しかし、2025年3月2日、イスラエルは全ての人道支援物資のガザへの搬入を禁じます。最後の力で命を繋いでいる医療現場はいま、ゆっくりと死に近づいています。

この子たちには時間がありません。

医療品の不足に困窮する医療現場では、手術や治療も困難を極めています。最近では、母体の極度な栄養失調が引き起こす未熟児の出生率が高くなっており、これらの赤ちゃんが命を繋ぐための粉ミルクの不足が深刻化しています。ハン・ユニスにあるナセル複合医療施設の小児科および産科部長の医師は、「粉ミルクが完全に底をつきた。赤ちゃんたちには時間がありません」とし、差し迫る「人道的壊滅」を警告しました。

生死の狭間で揺れる、小さな命。

医師は改めて、警告の緊急性を強調しました。「一時的な封鎖の緩和や限定的な供給では意味がありません。必要なのは永続的な解決策です。国境の封鎖を解除し、赤ちゃんの命を救って下さい。」
手遅れになる前に」医師は、数百人の早産児が病院のインキュベーターセクションに運ばれているが、集中治療室に入っている赤ちゃんでさえ、ほとんどミルクの供給がなく、直接治療を受けていない赤ちゃんについては全く供給されていない、と壊滅的な状況について述べました。

流産、死産、先天性異常も増加。

UNFPA（国連人口基金）によれば、ガザ地区で誕生している新生児の20％が早産または低体重であり、これは母体の深刻な栄養不良や貧血に起因していると報告されています。地元の医師たちは、栄養調や妊産婦医療の欠如による流産や死産、新生児の先天性異常の増加についても確認しています。また、粉ミルクの枯渇により、母親たちは母乳の持参を病院に求められていますが、多くの場合、彼女たちは飢餓や過労により母乳を出すことも出来ません。

国境封鎖による医療体制の崩壊。

乳児用粉ミルクの不足は21か月に及ぶジェノサイドと、2025年3月2日から始まった4か月以上にわたる完全なイスラエルによる国境の封鎖によって、ガザの医療体制が崩壊したために引き起こされていることの一部です。パレスチナ保健省は、乳児の死亡を防ぐために、即時の国際的介入の必要性を訴えています。

人命、尊厳、基本的人権の剥奪。

パレスチナ保健省によると、2023年10月以降、イスラエルは5万6千人以上のパレスチナ人を殺害しており、その半数は女性と子供であると報じられています。
医療施設の破壊や医療アクセスの遮断、赤ちゃんや妊婦の処刑は、単に人が殺されているという事実だけでなく、人間としての尊厳や基本的な権利そのものの剥奪であり、パレスチナ人の生存そのものへの攻撃です。